Maison&Objet Paris

デザインイベント好きの山中です。

日本橋タカシマヤで開催されていたメゾン・エ・オブジェ・パリ展を見てきました。

毎年パリで開催されているインテリア・家具などのトレードショーです。ミラノサローネのやフランクフルトのアンビエンテと並ぶ3大国際展示会だとか。日本ではミラノサローネの方が有名なので3大展示会と聞いておどろきました。本来は巨大な展示場で開催される展示を、高島屋の小さな会場に合わせ編集された展示会です。展示会場は三つに分かれています。最初の会場には過去のデザイナー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたデザイナーが照明器具と椅子の代表作を展示しています。

Philippe Starck フィリップ・スタルク

デザイン界のヒーロー的存在。スタルクの登場でデザインの社会的な評価が定着したきっかけになったかもしれません。

Jasper Morrison ジャスパー・モリソン

ミニマルデザインの牽引者の一人でしょう。マジス社の椅子はゼノデザインの会議室で使っています。

Konstan Grcic コンスタン・グルチッチ

無印良品・JINSのデザインで日本でも活躍しています。写真のプラスティックの椅子は東京駅の待合室に大量に使われていました。

佐藤オオキ 

今や日本を代表するデザイナーです。でも彼のやりたいのはスタイリングではありません。彼が目指すのは「デザイン」そのものなのです。既存のデザイン教育からでは決して生まれない才能です。

Franklin Azai フランクリン・アジ

2022年のデザイナー・オブ・ザ・イヤーです。美学においてはミニマルで環境においてはマキシマムだそうです。新時代のデザイナーと言えます。

2番目の会場はエリザベス・ルリッシュが「ホワッツ・ニュー」のテーマによって構成されるメゾン・エ・オブジェ出展者の最新作品を紹介しています。

展示物の印象は総じてナチュラルで優しい印象です。木工も木肌を活かした仕上げ、陶器も色味は薄く、ざっくりとしたテクスチャー、そんな印象でした。そして、2番目の会場で特筆すべきは空間デザインです。奥のコーナーの壁に貼られた草原のCGがカッコよかった。

実際の画像とCGの組み合わせたこの世とも思えない空虚な光景。多分、会場を演劇空閑に見立てた空間デザインです。この美しさは、今回の展示会一番の収穫と言ってもいいくらいです。

そして最後の会場がRISING TALENT AWARDS、若い世代の才能を発見し応援しようというアワードです。日本人のデザイナーも何人か選ばれていました。

岩本航大

塩ビパイプをブロウ成形した作品を発表しています。塩ビ管に印刷された文字が成形によって新たに作られる造形を美として表現しています。ありきたりの物から美を見出すワビ茶の精神にも似ています。

三澤遥

動紙という作品を展示している。磁気を帯びた髪が磁力で動くという、仕組みは一見してすぐさま分かります。しかし、その動きを見ていると引き込まれるように見入ってしまいます。紙が薄く小さいためなのか、その健気に躍る様子に詩情を感じてしまいました。

動きを見ないと話にならないので三澤デザイン研究室の動画を見てください。

https://misawa.ndc.co.jp/works/1765/

小さい会場でしたが見応え十分でした。フランスの本展では、この何倍もの内容を大会場で展開するそうです。イヤイヤとんでもないことです。かなりの体力精神力がないと情報の圧力に耐えられそうもありません。いつか行ける日のために体力つけなきゃ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です