作陶歴30年アマチュア陶芸家ヤマナカです。
作陶活動は長浦窯という陶芸サークルに所属して活動しています。
このサークル千葉の袖ヶ浦に登り窯を所有しています。
メンバーはベテランと言えば聞こえはいいが、お爺さんばかり8人のサークルです。
長浦窯は毎年、「長浦窯作陶展」を千葉市内で開催しています。
1年間作陶活動の成果を示す機会になるのでメンバーそれぞれ気合が入ります。
この発表の場があるというのは表現者にとって重要です。
どうしても一人で漫然と製作していると目標を見失いがちになります。
どんなに小さな機会であっても、発表の場があることで他社の目を意識せざるを得なくなります。
この小さな意識が大切であると、遅まきながら気がつきました。
今回のグループ展に展示した作品と、その制作途中を見ていただこうと思います。
1点目は板づくりの壺です。
初めに厚めの粘土板を用意します。今回は伊賀の粘土を使いました。
粘りのない粘土なので、ろくろ成型より板加工に向いています。
制作前に大まかなプロポーションをスケッチします。

このプロセスはデザインの時と一緒です。この時間がとにかく楽しい。
組立の段階は撮影を忘れました。削りがあらかた終わった段階の写真です。
10ミリの暑さの陶板を最初は台形の形に貼り合わせます。

その後い四方から削りこんで造形をつくります。

上から見るとこんな感じ。

伊賀土特有のザラついた質感が、黒いマンガン釉薬と組み合わさることにより、
ずしりとくる質量を感じさせます。

次は八角形ヒラ皿です。こちらの粘土は唐津の粘土です。
伊賀の粘土と違い目が細かく加工のし易さは段違いです。
7ミリ程度の粘土版を焼成中に割れないようにゴムベラなどでシッカリ締めます。
油断すると割れるのでここは念入りに。
その後八角形に型紙で切り出します。この一連プロセスも写真に撮ってません。
文章で説明しても分かりにくいですね、ごめんなさい。
切り出した粘土板の八角形を、半球形の石膏型に1日ほど固定します。
その後、乾燥しない様にビニールにくるみ厳重に保存します。
事前に用意した型紙で毛描き線を描きます。

中央の星形を1段掘り下げます。2ミリくらいだと思います。

削り終わりました。この後、濡れたスポンジできれいに仕上て素焼きします。

焼き上がりです。釉薬はターコイズ釉。
この釉薬は薪窯の灰を被ると、微妙にくすんだ色に仕上がります。
写真では分かりにくいですが、骨董品を見ているような気にさせられます。

同じくターコイズ釉のフラットプレート

パッチワーク皿、4種類の皿を一度バラバラにして張り付けた皿です。
バラバラになるかなと思ってたんですが、奇跡的にちゃんと焼きあがりました。

ターコイズ釉の線刻角皿
この粘土と釉薬のバランスが良く、彫りの陰影がキッチリみえます。
焼きと土(粘土)が一体になったと思います。
