itoです。今日は映画の話題。
プロダクトデザインを目指す人はもちろん、ある一定の世代にとって『サンダーバード』という言葉は特別な意味を持ちます。同じ名前のメールアプリケーションやJRの特急電車もありますが、こちらは1965年から1966年にイギリスで放送されていた人形劇による1時間枠の特撮テレビ番組です。イギリスの映像作品プロデューサー ジェリー・アンダーソン(Gerry Anderson)が作り上げた作品で、特徴として従来の操り人形に人間的な動作や表情を加え、スーパーマリオネーションと呼ばれる独特の人形を使い実写や特撮も併せてそれまでにない映像作品を作り上げました。日本の特撮技術やアニメのメカデザインなどにも多大な影響を与えた作品でした。
日本では1966年にNHK総合で50分番組として初めて放送され、当時の小中学生男子はみんな夢中になりました。その後民放でも再放送が繰り返され、同時に今井科学や青島文化教材社からプラモデルも発売されて秘密基地やサンダーバード1号~5号など随分人気があったものです。
これまで何度か映画化や実写映画も作られましたが、昨年公開された『サンダーバード 55』は1960年代に発売された音声ドラマのレコード盤を原作にしたオリジナルのエピソード3つからなる新たな作品で、当時と同じスーパーマリオネーションと実写の手法を使い、オリジナルのTVシリーズを作った人々も多く制作にかかわったそうです。
早速観てきた感想は原作が古いものなので今のような派手な演出やストーリーではありませんが、オリジナルの映像も利用しながら(サンダーバードの発射シーン等)新しい作品になっており雰囲気・映像ともに違和感なく楽しめました。日本語吹き替えは昔の声を期待されている方も多いと思いますけれど、声優の方々が昔と違うのは仕方ないと思います。
メイキングの動画も公開されておりみんな楽しそうに作っている姿が良いですね。
また同時上映の『ネビュラ・75』もどこか懐かしい感じのする作品でした。こちらがスーパーマリオネーションの技術を引き継いでいくのでしょうか。
劇場に行くと入場特典として今井化学のプラモデルボックスアートを手掛けた小松崎茂先生とガンダムモビルスーツデザインで有名な大河原邦男さんの絵葉書セットをもらえました。
昔はこの箱絵にも随分憧れたものです。
最新のCGやSFXを駆使した映画も素晴らしいですが、このような昔の手法をそのまま使い新たな作品を作ることもとても重要なことだと思います。
せっかく新たに作られたマリオネットやサンダーバードのメカなど、また新たな作品に使われることを望みます。
映画公開と同時にブルーレイも発売されているそうですので、見逃したかたはそっちかな。