アートパトローラーの山中です。
年間開催される展覧会の中で、特にこのアンドリュー・ワイエス展を楽しみにしていました。実は、50年前、日本初めて開催されたワイエス展をみています。私の生涯ベスト3に入るほどの印象的な展覧会でした。さて、期待に溢れる私を満たしてくれるのでしょうか。

パンフレットを見ると、メインの作品はクリスティーナ・オルソンが扉の脇に腰掛ける作品のようです。前回のワイエス展で見られた傑作、クリスティーナが丘をを登る作品がきていないのです。

最晩年のワイエスの写真です。カメラマンの力もあると思いますがなかなかのイケジジイです。

今回の会場で撮影が許された作品を紹介しましょう。
この作品は「ヒトデ」。
良く見ると窓枠にヒトデが飾られています。
窓の向こうに見えるのはワイエスの妻ベッツィーが双眼鏡で海を見つめる姿を描いています。ワイエスの絵に繰り返し描かれている窓越しの作品です。窓越しにすることで対象から距離を置くことができ、説明的にならない印象を与えています。この印象はワイエスすべての作品に共通しています

この作品はずばり「窓」。
アトリエに借りていたオルソン家の2階の古い窓を開けた時、突然吹き込んだ風に古いレースのカーテンがフワリと浮かんだ瞬間を描いています。ほんの小さな出来事をドラマティックな作品に昇華させるさるのは、さすがワイエスです。

次は「氷塊」。冬の川の水面に浮かぶ大きな氷の塊を描いています。ワイエスが住んでいるメイン州の冬の厳しさが感じられます。しかし「氷塊」を作品にまでまとめ上げる気概にただただ敬服します。

次は「薄氷」。これもまたメイン州の冬の景色を描いています。薄く張った水路に幾重にも重なった落ち葉を克明に描いています。
画面いっぱいに描かれているので対象物がなく、一体何が描かれているのかわかりません。

特に額が特徴的です。明らかに何かの古材を使っています。この額の質感と相まって何とも寂れた感情に包まれます。この作品を描く前年に、長年の作品のモデルをしていたクリスティーナオルソンが無くなったことにも理由があるそうです。

次は会場の画像。展示会場のデザイナーがワイエスの雰囲気に合わせ、白い窓枠、風雪に耐えたように見える大きな扉を配置しています。この会場デザイナーの配慮は嬉しいです。
今回のワイエス展に期待しすぎてしまったようです。
50年前のフレッシュな感受性と、古びた感受性とを比較はできないですね。いずれにしてもアンドリュー・ワイエス展堪能しました。













































